7月研修会 コロナ禍のもと京都で何が起こっているのかを学びました
7月23日(金)、ひと・まち交流館において第112回の研修会を開催しました。講師は京都府保険医協会事務局次長の中村暁さん。
2020年の年明けから新型コロナウィルス感染症のパンデミックに襲われた世界、そして日本。日本で「備え」が十分でなかった典型として「感染症病床」があります。国が決めた感染症病床の配置基準では京都府全体として38床しかなく、入院を必要とする感染症の発生は39人を超えることは想定されていなかったというお話から始まり、想定外の事態に対して起きた事例(自宅療養・宿泊施設療養中の患者さんの死亡事例等)についても紹介されました。
また感染症への対応窓口となった保健所の歴史についてもお話し頂きました。京都市における行政区保健所の廃止・統合は2010年に強行され、今は京都市全体で一つの保健所しかないという事実を知らなかった参加者も多く、驚きの声が上がりました。感染症に立ち向かえる地域の力を再生するためには、その中心となる行政機関が求められており、それこそが保健所であるというお話にはなるほどとうなずかされました。
コロナ感染症のことが無ければたぶん気付くことが無かった医療・公衆衛生の課題や、その改善の方向が見えてきた研修会でした。研修会後のグループトーキングでは日頃感じている思いを出し合いました。くわしい内容は会報8月号でご紹介します。
研修会資料を中村先生ご了解のもと、添付しています。ご覧ください。
第112回研修会資料 20210723
研修会資料で紹介されていた「京都府保険医協会」の提言です。ご参考まで。
【提言】新型コロナウイルスを含む感染症パンデミックへの対応体制の見直しについて
【提言】公衆衛生行政の再確立と保健所再生に向けて