3月研修会 民間企業の介護ビジネスへの参入がもたらしたものについて学びました

3月18日(土)、ひと・まち交流館において第125回の研修会を開催しました。講師は京都社会保障推進協議会介護部会長で、京都民医連事務局長の松田貴弘さん。民間企業の参入が介護におよぼした影響について、全体的な状況と具体的な問題点についてわかりやすく話していただきました。
介護保険制度創設にあたって、民間活力の活用を目的に規制を緩和し、民間事業者の参入を認めました。営利企業が介護事業へ次々と参入し、介護業界売上高ランキングの上位企業では高い収益率をあげています。一方、介護サービス利用者にとっては制度改定ごとに利用料が増え、介護職員の不足や小規模事業所を中心とした倒産件数の増加も深刻化しています。その状況が色々な資料で示され、介護業界全体を見渡すお話は興味深いものでした。
元々介護サービスは国民からの保険料と税金で賄う「公定価格(介護報酬)」が主たる収益源となっているわけですから、「民間」ではあっても「営利を目的としない組織」に限定した方が良かったのではないかという講師のお考えも示されました。しかし今となっては、介護サービス事業所が地域住民に貢献できているかどうかを重視し、府県を超えて大規模化することを制約するような視点が大切であるというお話を聞くと、私たちのこの問題に対する取り組み方が見えてくるように感じました。
研修会の詳しい内容は会報4月号でご紹介します。

研修会資料を講師の松田貴弘さんご了解のもと、添付しています。ご覧ください。
3月研修会 民間企業の介護ビジネス参入 資料(松田貴弘さん提供)