2月研修会、奈倉道隆先生と一緒に医療や介護について考えました

2月19日(土)、ひと・まち交流館において第116回の研修会を開催しました。講師は老年科医で介護福祉士でもある奈倉道隆先生
まず先生から、日本の医療制度の歴史のお話し。
江戸時代から現在まで、海外からの影響を受けながらも日本特有の仕組みとして現在に至ったことを概観。次は介護について、先生が30年前に経験されたデンマークの介護福祉の実状と照らし合わせた、日本の介護の特徴についてお話し頂きました。そのあと、お聞きした内容についての意見、感想、質問をグループで話し合い、先生にお尋ねしたいことをまとめて先生に提出。休憩時間を挟んで、出された質問に先生からお答え頂き、さらに理解を深めました。
「デンマークの介護では本人の自己決定や自立を何よりも尊重しているが、日本の福祉は保護の福祉になっている。これはどこから変えていけるのか?」という質問に対しては、教育で自立を教え理解する必要があること、生涯にわたる教育で人間は発展するということを、ご自分の体験も交えてお話しされました。まず自分が変わることが大切ということを納得しました。
コロナ禍で露呈した日本の医療体制の脆弱さを変えていく方向性としては、病院は集約的医療に専念し、地域においては「家庭医」が包括的医療を推進するシステムに変えていくことだとお話しされました。今、求められている地域包括ケアシステムと重なる内容ですが、先生はそれを1960年代から訴えられていたことを知って驚きました。
日本の医療と介護の現状を大きな視点から見ることができ、これからについても深く考えることができた充実した研修会でした。
研修会に引き続き、当会の「地域包括支援センター実態調査」プロジェクト会議を開催し、打ち合わせを行いました。
研修会および打ち合わせの詳しい内容は会報4月号でご紹介します。ご覧ください。